ドイツ フラウンホーファー研究機構 ハインリッヒ・ヘルツ研究所が、
LED電球を使った可視光データ通信で3ギガビット/秒を達成したことを発表しました。
ハインリッヒ・ヘルツ研究所は市販のLED照明を使った
可視光データ通信技術を以前から開発・発表してきましたが
新たに開発したコンポーネントにより従来の30MHz駆動から180MHzに高速化し
ひとつ光の波長につき1Gb/秒を実験環境で実現したとしています。
市販のLED照明が一般的に3つの波長または色を使うことから、
それぞれを制御してまとめれば3Gb/秒になる計算です。
可視光データ通信はなに使うのか?
自動車から自動車や交通インフラ間で情報を共有する Car-to-X コミュニケーション
病院など従来の無線LAN電波を飛ばしにくい場所でのLANやインターネット接続
工場やエレクトロニクス系の見本市など
電波が混雑して通信しづらい状況でのデータ通信などが挙げられています。
近傍端末間通信
高速で数Mbpsから数百Mbpsの速度で数mの範囲で情報伝送を行う。電波、赤外線に対して、送信光のビーム・スポットを意識して向けられるので、使い勝手がよく、同じ通信パワーで伝送速度の高速化や、到達距離を長くしやすい。さらに機器につけられているインジケータや表示のバックライトを通信に流用できる点も利点である。
水中通信
電波の伝播が困難な水中で、ダイバー間通信などを行う。
照明からの片方向情報配信(照明光通信)
●一般照明
├屋内位置情報の配信
└スポットエリアの情報提供
●公共照明
├サイネージ情報通信
├信号機
└灯台
●可視光LAN
└照明やスタンドでワイヤレスLANを行う。下り通信に照明を使うが、上りには赤外線を使った例もある。[1]
●AR(拡張現実)
└カメラ画像と可視光通信による情報を結びつける。
可視光を通信に利用することの長所や短所には以下のものがある。
可視光通信長所
- 生体に影響がなく安全、電磁波で他の機器に影響を与えることがない
- 発信源・通信経路が目に見えるので、通信範囲が一目で分かる
- 従来の電波を用いた通信は、遮蔽物の材質により透過・反射・減衰など予測ができないが、
可視光であれば人間にとって非常に直感的である。(欠点でもある) - 電波の知識を要さず、遮蔽板、鏡、レンズなど身近で一般的な道具により容易に通信範囲の変更ができる
- 非常に高い指向性での伝播制御や、空間分解能を得られる
- 指向性を利用し、特定の相手とだけ通信するなどの応用が可能である
- 通信のエネルギーを照明に流用できる
可視光通信短所
- 見通しできないと通信できない(長所でもある)
- 自然/人工の環境ノイズ源、干渉源が多い
- 電波においては、大気の窓によりマイクロ波を除き、宇宙からエネルギーの多くが遮断されるため、自然背景ノイズは比較的低いエネルギーで安定している。しかし、可視光においては、屋外の昼では強烈な太陽光の影響を受ける。また室内や夜間においても、ヒトが活動しているところには様々な照明や表示装置があるため、常に高いレベルで環境のノイズが存在している。
参考ページ
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